DENSO TEN

活動レポート

2024年8月17日

兵庫県パラアスリート拡大・推進事業 パラバレーボールミーティング2024

兵庫県障害者スポーツ交流館主催「障がい者バレーボールミーティング」が「パラバレーボールミーティング」と改題し、今年も2024年8月17日に開催されました。2011年から皆勤賞のレッドフェニックスも、今年も講師役・スタッフ側として参加させていただきました。
ローリングバレーボール、シッティングバレーボール、ふうせんバレーボール、卓球バレーに立位のバレーボール教室など、「バレーボール」に関するさまざまなスポーツが楽しめるイベントとあって、今年は総勢約120名もの参加者が集まりました。
毎年楽しみにしてくれている人もいれば、初参加の中学生や一般参加の人も多く、いろんな人が集まってバレーボールを楽しめるのが本イベントの一番の魅力です。イベント終了後のレッドフェニックスによる追加のバレー教室に残って参加してくれた人も多く、朝から夕方までどっぷりバレーボールを楽しむことができた1日となりました。

当日の様子を紹介!

日程
2024年8月17日
会場
兵庫県立障害者スポーツ交流館(神戸市西区)
参加団体
ふうせんバレーボール連盟/ローリングバレーボール連盟/ミニなでしこ/ひめじバレーボールクラブ/玉津中学校バレーボール部/太山寺中学校バレーボール部/兵庫WAVES/シッティングバレー関係者/個人参加 など総勢約120名

午前中は各パラスポーツ体験ということで、体育館を3つに区切って「ふうせんバレーボール」「ローリングバレーボール」「卓球バレー」を楽しみました。参加団体が偏らないようにそれぞれ振り分けてチームをつくることで、いろんな人と交流しながらプレーできるのも本イベントの魅力です。
どの競技もルールは違えど、バレーボールで大切なのはチームプレー。最初はぎこちなかった参加者もプレーを続ける中で声かけやコミュニケーションの大切さを学び、打ち解けていくさまが印象的でした。


体験したパラスポーツを紹介

【ふうせんバレーボール】

鈴が入った大きな風船を使ったバレーボール。打つたびに鈴が鳴るので視覚障害の人もプレーでき、風船がゆるやかに動くので車椅子や年配の方でも安心してプレーすることができます。ルールはチーム6人が必ず1回ずつ風船にタッチして、10回以内に相手コートに返すこと。1人2回触ることもできますが、連続して触るのはNG。
誰が風船に触ったか声を掛け合いながらプレーするのがポイントです。簡単なように見えて、少しの風でも動きが変わる風船の軌道は読みづらく、強く打っても思ったように飛ばないところがむずかしい、奥の深い競技です。

【ローリングバレーボール】

バレーボール用のネットを床から約30cmまでの高さにし、ボールをネットの下に転がして競うバレーボールです。前衛は床にお尻または両膝をつけた姿勢でプレーするので、重度の障がいがある人も参加することができます。後衛は立ってプレーしますが、下半身にボールが当たると反則です。長く浮いたボールを打っても反則になるのですが、どうしても「決めたい!」と思うと力が入りすぎて球が浮いてしまってネットに引っかかってしまうのがむずかしいところです。初心者だとボールの制御がむずかしく、勢いも出にくいのですが、熟練者の人のスパイクは迫力があり、コート外で見ているよりも実際に受けてみると体感速度がすごく、緊張感が楽しめる競技です。

【卓球バレー】

鉄の玉が入ったサウンドボールというピンポン玉サイズのボールを木の板でパスを回しながらバレーボールのように打ち合う競技です。基本的にはバレーボールのルールと同じで、パスは3回まで、ネットの下を通過させて相手コートに打ち返します。お尻が浮くと反則で、座って競技できるので子どもから高齢者、車椅子の人や視覚障害の人もみんなで楽しむことができます。
ピンポン球は軽いので、ゆっくり始めてもラリーを続けているうちにどんどんスピードが上がっていき、目で追うのがやっとというくらいの速さになります。白熱して思わずイスから立ち上がってしまったり、スピードについていけずにピンポン球を見失ってしまうことも。卓球台の広さで1チーム6人でプレーできるのも魅力です。

 

午後からはコートを分けて、立位のミニバレーボール教室とシッティングバレーボール教室を行いました。シッティングバレーは床にお尻の一部を着けてプレーする競技ですが、6人制バレーのルールとよく似ているので、立位のバレーボールに親しんでいる人は比較的違和感なくプレーすることができます。レッドフェニックスのあるデンソーテン社内にもシッティングバレーボール部(レッドエッグ)があり、今年も2名が本イベントに参加し、審判をしてくれました。シッティングバレー教室では、お尻を床に着けた状態での移動方法やパスなどを練習し、その後試合形式を楽しみました。

立位のミニバレー教室では、オーバーハンドやアンダーパス、強打レシーブの練習を行いました。実際に飛んでネットを超えるスパイクを打つのはむずかしくても、ボールを思いっきり打つ楽しさを体感してほしいと、今回はネット下にボールを打ち付けるスパイク練習も取り入れました。選手の説明にしっかりと耳を傾けて、熱心に実践練習をしてくれたのが印象的でした。

その後はイベント終了時間まで、試合形式でふうせんバレーを楽しみました。しっかりコミュニケーションを取ることができているチームがやっぱり強い!小さなお子さんでも簡単に参加できる競技ながら、点数を重ねるとなるとむずかしいのがパラスポーツの魅力。白熱しながらも笑い声の絶えない1日となりました。
また、イベント終了後はレッドフェニックスによる追加のミニバレー教室も開催。昼に行ったパスの復習に加えて3人レシーブやスパイク練習を行いました。参加してくれた聴覚障害の男子のスパイクはやはり力強く、拍手が起きる場面も。藤本監督や竹口GMによる3人レシーブなど、一歩踏み込んだ練習もすることができました。

楽しかった1日を振り返って

参加者・太山寺中学校バレーボール部 監督のコメント
昨年度のデンソーテン杯に参加したので2年生はシッティングバレーは体験したこともあるのですが1年生は初めて。シッティングバレーだけでなく、ほかにもさまざまな競技があり、楽しんでいる方がいることを生徒たちに体験させることができて有意義な一日となりました。スポーツもさることながら、障がいがある方や小さいお子さん、年配の方、レッドフェニックスの選手などさまざまな環境の方と触れ合えるのは学内活動だけでは絶対にできない経験です。生徒たちが楽しそうにプレーしているのが本当に良かったです。
参加者・太山寺中学校バレーボール部 キャプテンのコメント
パラスポーツというと激しい運動をしないイメージでしたが、実際にやってみるとどの競技も意外とむずかしく、特にシッティングバレーはいつもやっているバレーに通じる部分がありつつも移動がむずかしくて面白かったです。ふうせんバレーボールも思ったようにボールが飛ばず、下に打ちたくてもちょっと上がっちゃうのがむずかしくて面白かった。レッドフェニックスの選手の皆さんが気さくに話しかけてくれるので、チームの皆さんとも早く打ち解けることができて楽しかったです。ミニバレー教室での質問にもしっかりと教えてくれて、充実した1日でした!
参加者・デンソーテン人事部 森脇さんのコメント
どの競技もルールを聞いただけでは簡単だな、競技になるのかなと思ったのですが、実際にやってみるとむずかしくて「よく考えられたルールだな!」と感心してしまいました。特にふうせんバレーボールは全員が1回必ず風船に触れなければならないというルールがあるためコミュニケーションが必須でチームの一体感を感じることができて面白かったですね。空気抵抗があり軌道の読めない風船に翻弄されっぱなしでした(笑)。
シッティングバレーの経験者として教える場面も多かったので、子どもたちや障がい者の方との触れ合いを通じて今日一日で視野が広がったと思います。
中谷選手(ゴウ)のコメント
今年入社したので、今回が初めての参加となりましたが、とにかく皆さんとバレーを楽しめたのが一番嬉しかったです。私たちが普段プレーしているバレーとは全然違うルールですが、それぞれ違った楽しさがあり、バレーボールの魅力や懐の深さを再確認しました。特に床と平行に行うボールコントロールが求められるローリングバレーボールが、普段空中でボールを操っているバレーと違って面白かったですね。
私は学生時代に手話を覚えたのですが、今回は聴覚障がいの方たちも参加されていて、覚えた手話が役立ったのも嬉しかったです。大会優勝が一番の目標なのは変わらないですが、レッドフェニックスはバレー教室も多いチームなので、教え方も上手くなりたい。知的障がいの方とのミニバレー教室も伝え方を考える良い機会となりました。