DENSO TEN

活動レポート

2024年5月4日

第11回 福島県相馬地区での復興支援バレーボール教室を実施

2024年5月4日、福島県相双地区にて「デンソーテンバレーボール教室」を開催しました。2012年に起きた東日本大震災の翌年から「私たちの得意なバレーボールで復興のお手伝いができないか」という思いから継続的に実施しているこの教室も今回で11回目となりました。
相双地区はバレーボールへの熱量が高く、近年ではJOCに選ばれた選手たちがレッドフェニックスの本拠地である神戸まで練習に来てくれるほど。長年バレーボール教室で深まった絆が実を結んでいます。
毎年心待ちにしてくれている生徒や先生方も多く、この日のために準備してくれた寄せ書きが貼られたボードや大きな拍手で出迎えてくれて、レッドフェニックスの選手たちも力が入ります。今年は女子100名、男子34名の中学生総勢134名を対象にバレーボール教室を行いました。人数が多いため、鹿島中学校、真野交流センターの2会場に分かれての開催となりましたが、両会場ともおおいに盛り上がりました。

当日の様子を紹介!

会場
南相馬市立鹿島中学校、真野交流センター
参加チーム
尚英中学校、中村第一中学校、中村第二中学校、向陽中学校、磯辺中学校、鹿島中学校、原町第一中学校、原町第二中学校、石神中学校

約134名

特別講師 サンデン株式会社 安部 曜さん
練習メニュー
開会式・ウォーミングアップ・パス・レシーブ(オーバー、アンダー、3人レシーブ)・スパイク・サーブ・ゲーム形式・閉会式

開会式でお互いに自己紹介をしてからウォーミングアップへ。この時期のバレーボール教室のむずかしいところは今年4月からバレーボールを始めたばかりの新入生と経験者が揃っていること。なかでも相双地区には県で優勝を争う強豪校もいるので、体格も修練度も大きく差があるところが悩みどころです。学校別に分けた後、初心者クラスをつくって、それぞれのレベルに合わせて細かく練習内容を変えることで問題をクリア。
女子会場では、バレーボールを触ってまだ1ヶ月も経っていないという1年生にはこれからの練習の仕方も含めて基礎の部分を森(ラン)選手や別宗(ジェイ)選手が丁寧に指導に当たりました。部員数も多く、バレー部も強い向陽中学校は特別講師のサンデン株式会社の阿部さんと田中(サク)選手が担当し、3人レシーブを力強く指導。真剣な表情でアドバイスに応える生徒たちが印象的でした。
子どもたちの練習する姿を見守る合間も、指導方法や練習方法について竹口GMに教えを乞う先生方も多く、相双地区のバレーボールへの熱量を感じさせられました。

午後からはスパイク練習やサーブ練習を行い、最後には一日の練習の成果を発揮する各校対抗形式での練習試合を実施しました。男子会場では、男子顔負けの中谷(ゴウ)選手のジャンプサーブに「俺も!」とサーブを披露してくれる生徒も。ネットにかかって悔しがる生徒に中谷選手がコツを伝授。
男子は思春期ということもあり最初はむずかしい場面もありましたが、先生方も盛り上げてくれたことにより、バレーボールのプレーを通じてお互いに上手くコミュニケーションが図れたと思います。試合形式では経験差をカバーするために入った藤井(ミユ)選手や渡邊(マコ)選手、吉田(ディ)選手が次々とブロックを決め、応援している生徒からは「容赦ない(笑)」「さすがに強い…」という声が聞かれる場面も。女子の強豪である中村一中とレッドフェニックスの対戦も実現し、男子会場も盛り上がりました。
閉会式では「レッドフェニックスが今年の全試合に勝てますように!」という思いを込めて選んでくださった生徒の皆さんからプレゼントしていただき、とても嬉しかったです。皆さんからいただいた声援を胸に、6月から始まるVチャンプリーグを戦っていきます。

参加者の感想!

原町第一中学校 田中万紀子先生
バレーボール教室自体は13年目になるのですが、コロナで2年間空いてから今年で3回目なので、今年の3年生は3回連続で参加になります。自己紹介のときに生徒たちが前回、前々回のことを話していて、毎年楽しみにしてることがわかって、私たちも感慨深い気持ちになりました。毎年GW開催なので、まだ右も左もわからない新入生にも優しく面白く、そして強い学校や学年にもレベルに応じて指導してくれるのが非常に助かります。教師にも移動があって、バレー初心者の先生方もおられるので、私たちにとっても指導方法や練習方法を学ぶことができてとてもありがたいイベントです。これからも末永く続いてくれることを願ってます!
竹口GMのコメント
東日本大震災が起きて、いち早く「なにかできることはないか」と声をかけさせていただいてから早13年が経ちました。一時期はサンデン株式会社のバレー部と合同で、多いときには240名もの参加者が集まった年もあり、ちょっと多すぎたかな、というときもありましたが今ではいい思い出。長年続けていることもあり、子どもたちはもちろんのこと、相双地区は先生方も熱心で指導方法を教えるという意味でも手応えを感じます。バレーボール教室に参加した子がレッドフェニックスに入ってくれるという夢は既に叶っていますが、相双地区の子が大きくなって、レッドフェニックスに入ったり、試合で対戦するというのも楽しみのひとつです。今日学んだことを活かして、バレーボールを楽しみながら上手くなっていってほしいと願っています。