全国91拠点で事業展開、720台の社用車を運用

——まず、御社の事業内容について教えてください。

満生氏:当社は、三菱電機の家庭用電化製品のアフターサービスを担当する技術サービス会社として、1962年に設立しました。冷蔵庫やエアコンといった身近な家電の修理・保守からスタートし、その後、産業用電機品、映像・情報通信機器へと事業を拡大してきた経緯があります。

現在は総合エンジニアリング企業として、大きく3つの本部で構成されています。第1本部は白物家電のアフターサービス。第2本部はFA関係でシーケンサーやインバーターなど工場設備のメンテナンス。第3本部は監視カメラやビデオ会議システムといった映像・情報通信機器を扱っています。これらをワンストップソリューションとして提供し、全国91拠点(2024年4月時点)でお客様のあらゆるニーズに対応しています。

三菱電機システムサービス株式会社 総務部 安全・衛生グループマネージャー 満生 隆 氏

 

――現在、社用車をどのように運用されていますか?

満生氏:約720台の社用車を保有しています。最も稼働が多いのは、地域密着で一般のご家庭に出向く機会が多い第1本部です。車両は主にライトバンで、現場に赴くエンジニアやサービススタッフが運転しています。

従来器の運用で判明した4つの課題とは?

――Offsegを導入した経緯についてお聞かせください。

満生氏:もともと他社製のドライブレコーダーを2009年に導入し、2023年からは別の会社製の機器も使用していました。しかし、運用する中でさまざまな課題が見えてきたのがきっかけです。

三菱電機システムサービスの社用車(写真提供:三菱電機システムサービス)

 

——その見えてきた課題とは、どんなものだったのでしょうか?

満生氏:従来の機器は居眠りや脇見といった危険挙動の検知が十分でなかったことがまず1つ目の課題です。

2つ目は録画機能の課題で、従来器は事故やヒヤリハットが発生した際の記録がきちんとされていないケースがありました。これらの問題を抱えていると、事故の未然防止や安全運転教育への活用が難しくなりますから、なんとか解決したいと考えていました。

また、2つ目に挙げた録画機能の課題は、データ管理の煩雑さにもつながっていました。従来はSDカードに保存したデータを担当者が手動でアップロードしており、1台あたり約30分もの時間がかかっていたんです。そのほかにも、人事異動の際に運転者情報を手作業で更新するなど、管理上の作業負担もありました。

次に3つ目の課題は、個々のドライバーを認識する機能が不足していたことです。顔認証が暗所などでは十分に機能せず、その結果、運転日報の作成などに支障が出ていました。最後の4つ目は機器サイズの課題です。ドライバーから「端末が視界に入って、運転の妨げになる」という声が実際に上がっていました。

大崎氏:これらの課題は、現場で運転しているドライバーからの切実な声でした。

三菱電機システムサービス株式会社 総務部 安全・衛生グループ シニアコーディネーター 大崎 秀樹 氏

 

――非常に多くの課題を抱えていたのですね。これらの課題解決に貢献できたことが、最終的にOffsegを選んでいただけた決め手だったのでしょうか?

満生氏:そうですね。優れていたポイントはいくつかあり、まず挙げられるのが、カメラの画角の広さと映像を記録する際の信頼度です。特にインカメラの画角は重要で、ながら運転を防ぐにはハンドルの下までカバーする広い画角が必要になります。

また、録画データは内蔵メモリーに記録されるため、録画や保存における信頼度が高いと感じました。本体のサイズも名刺とほぼ同等でコンパクトですから、運転中の視界を妨げません。

社用車に搭載されたOffsegの端末(写真提供:三菱電機システムサービス)

 

――そのほかの選定のポイントについても教えてください。

満生氏リアルタイムに映像を確認できる点と、指定時間の映像を取得できるため事故時の状況を把握しやすい点も優れていました。衝撃を検知すると、クラウドにデータがアップロードされて通知される仕組みも便利な機能です。

大崎氏安全不確認や前方不注意などの人的事故の主な要因をAIが検出し、自動でドライバーと管理者に警告・通知してくれる点も、導入にあたって評価したポイントでした。

Offsegは、事故リスクの高い12シーンをAIが検出し、ドライバーや管理者に警告・通知を行うことが可能

 

高精度に検知した運転行動を事故防止に活用

――実際の導入はいつごろ始まりましたか?

満生氏:2024年に始まり、既存機器の入れ替えを進めているところです。一度に全台を入れ替えるのではなく段階的に行っており、現在は約200台が入れ替え済みです(2025年11月取材時点)。また、4月以降に納車される新規の車両には、初めからOffsegを搭載するようにしています。

――導入後、どのような機能を活用されていますか?

満生氏:現在は使いこなすための準備段階ではありますが、主に活用しているのは、AIによる危険な運転行動の検知機能です。例えば抽出したヒヤリハット映像を、当事者のドライバーだけでなく、ほかのドライバーにも共有し、注意喚起や再発防止に役立てています。

業務負担の削減に加え、ドライバーの意識に変化の兆しが

――業務時間の削減などについて、効果はいかがでしょうか?

満生氏:先ほど述べたように、SDカードのデータをアップロードする作業は、以前は1台あたり約30分かかっていました。それがクラウドに自動でアップロードされるようになり、その作業が不要になりつつあります。この30分の短縮は大きいですね。今後、実際の効果測定もしっかり行っていきたいと考えています。

 

――ドライバーの安全運転への意識や行動に変化は見られましたか?

満生氏:個々のドライバーによって差異はあると思いますが、全体的に「自分の運転をしっかり見られている」と意識するように変わったと感じます。普通は運転席に座っていると周りの目を気にしなくなりがちですが、危険な運転行動を高い精度で検出できるOffsegの機能で、ドライバーが緊張感を保てているのだと考えています。

大崎氏:その結果、ながら運転や黄色信号での通過、目視の不確認といった危険な運転行動が減り、事故の未然防止にもつながると期待しています。実は「常に見られていて、少し落ち着かない」という意見もありますが、全体的には「より注意して運転するようになった」という声が増えている印象です。

管理指導の改善に注力。今後はアルコール検知器との連携も

――管理部門の立場から感じる効果についてはいかがでしょうか?

満生氏:例えば、駐車場の入出庫時に発生する接触事故において、その原因を単なるドライバーの見落としで片付けるのではなく、目視を完全に怠っていたのか、目視はしているが死角への配慮が足りなかったのか。Offsegの導入でそういった細かな違いを把握できるようになりました。管理者としても詳細な情報を把握することで、日々の管理や指導に今後活用できると考えています。

対応する他社アルコール検知システムと連携すれば、計測結果が日報・月報に表示される。

 

――そのほか、今後活用していきたい機能はあるでしょうか?

満生氏e-learning用の教育資料を自動で作成・配信できる機能と、他社のアルコール検知システムと連携して、測定結果を運行記録表へ自動で反映できる機能を活用していきたいと考えています。実はこれらの機能も、Offsegの選定にあたって評価していたポイントでした。

また、Offsegへの入れ替えと並行して、パイ・アール製の「アルキラーNEX」を導入しました。実は、従来のアルコールチェックについては、市販の単機能型の検知器を使って運転前後の点呼時に実施し、確認した数値を手動で記録する方式でした。今後は、クラウドで車両運行記録とアルコール検知結果を連動させ、さらなる法令遵守の徹底と業務効率化に努める考えです。

▼デンソーテンの通信型ドライブレコーダー「Offseg(オフセグ)」の強み

POINT1: トラブルをふせぐ

メインユニットと通信ユニットを分離して名刺サイズに小型化された本体で運転席の視界を確保。さらに、標準設定のカメラは、フルHDで200万画素、2カメラ一体型で約360°の撮影が可能で、高画質に広範囲を録画できます。さらに後方もカバーしたい場合は、オプション設定でリアカメラの取り付けも可能です。

POINT2: 事故をふせぐ

人的事故要因の約7割を占める、安全不確認や前方不注意など主要な12シーンをAIが自動で検出し、管理者や運転者に警告、通知することができます。さらに、信号無視や車間距離不足といった6シーンは、リアルタイムに警告することも可能です。

POINT3: ムダをふせぐ

Offsegは、安全運転管理、車両管理の効率的な運用にも貢献できます。個々のドライバーの運転行動を評価する「安全運転診断」や、「運転日報・月報の自動作成」など、日々の業務をサポートする機能を多数取りそろえています。

通信型ドライブレコーダー「Offseg」