DENSO TEN Technical Review

デンソーテンテクニカルレビュー

高密度・微小部品対応ソルダペースト開発

分野
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取組背景

近年、車載業界ではハードウェアの機能統合化が進んでいる。それに伴い、製品基板単体の実装点数が増加することで、今後さらに基板の高密度化が進むと考えられる。また、車載製品に搭載される電子部品において、IC部品では製品機能向上に伴う大型化や端子の多ピン・狭ピッチ化、チップ部品では基板高密度化・製品軽量化ニーズに伴う微小化の傾向がある。これらに対応するために基板・材料・実装の各分野において技術開発が急務であり、今回、高密度・微小部品実装に対応し、かつ当社が要求する車載品質を満足したソルダペーストの開発を行ったため、その取組について紹介する。

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開発概要

微小・狭ピッチ部品※1の実装を目標とし、当社現行材料からはんだ粉を微細化する方策で新規材料の開発を行った。
はんだ粉の微細化により微小開口部への印刷性向上が見込める一方、はんだ粉の酸化膜量増加などの背反によりはんだ付け性に影響が生じる。
今回、フラックス組成のチューニングにより背反への対応を行い、印刷性/はんだ付け性/絶縁性/フラックス残渣の割れ耐性などの当社要求仕様を満足する材料を実現した。

※1:微小・狭ピッチ部品
        今回、0402Chip(部品サイズ0.4×0.2㎜)や端子ピッチ0.4㎜以下のBGA(Ball Grid Array)を実装目標部品とした。

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高アスペクト比箇所へのはんだ印刷品質確保の実現

本開発材料はフラックス残渣割れ防止のため合成樹脂を添加しているが、その影響で粘着性が上昇するため、微小開口部において印刷欠けが発生しやすい。微小・狭ピッチ部品の実装が想定されるオーバーレジストのランド設計では、見かけのメタルマスク厚が増大するため、印刷難易度が更に上昇する。フラックス調整のみではオーバーレジストランドへの印刷品質の確保が困難であったため、メタルマスクやスキージの仕様選定を通し、充填性向上や版離れ性向上による印刷性改善の検討を行い、当社が目標とする印刷品質の確保を実現した。

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まとめ

はんだ粉の微細化やフラックス組成のチューニング、印刷部材の選定により当社要求仕様を満足する高密度・微小部品対応ソルダペーストの開発を行った。今後、製品競争力向上への貢献のため、本開発材料の製品適用を推進する。

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