DENSO TEN Technical Review

デンソーテンテクニカルレビュー

ローカルディミングディスプレイの車載適用

分野
ディスプレイ
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CID(センターインフォメーションディスプレイ)
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はじめに

メーター、ナビ、操作パネルなど、自動車には多くのディスプレイが搭載されていますが、大型化、高画質化とともに、内装との調和や質感向上を狙って、黒をより黒く表現する高コントラスト性能のニーズが高まっています。これを実現するため、車載ディスプレイにローカルディミング技術(以下、ローカルディミング)を適用して、高コントラストなディスプレイを開発しました。

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当社の開発技術1 画質性能の確保

ローカルディミングは、表示する画像の明るさの分布に応じて、バックライトの点灯状態を最適に制御する技術ですが、表示輝度の低下とHaloと呼ばれる表示のぼやけが課題になります。これらの課題は相反する関係にあるため、実使用環境でのチューニングを行いました。

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当社の開発技術2 発熱対策

ローカルディミングのバックライトには数百個のLEDを使用します。全てのLEDが点灯するような場面(白背景)では、発熱でパネルが高温になり、画面上に表示される釦操作ができなくなる恐れがあります。このため、ローカルディミングの制御にLEDの点灯状態から発熱量を判定するロジックを追加して、発熱量が許容値を越えないように制限する制御を行いました。

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まとめ

今回、ローカルディミングの適用及びチューニングによって目標性能を達成できました。
・コントラスト 10,000:1以上
・黒背景の白輝度 600 cd/㎡以上(全白輝度の60 %以上)
・視認性評価合格(Halo軽減)
今後は、車載製品への搭載性を左右する厚み、またHaloを含む表示性能向上の取り組みを行っていきます。