自動車業界は100年に一度の大変革期。
ICTでクルマの進化に貢献
ディスプレイオーディオなど車載マルチメディアシステムの
開発を手がけるデンソーテン。
やりたい仕事に挑戦する開発者とその活躍を教育面から支える社員に、
入社後のキャリアや同社で働く魅力を伺った。
本コンテンツは、就職情報サイト「マイナビ2024」に
掲載された
インタビュー記事を転載しています。
部署名、担当業務は掲載時のものです。
CI事業本部 ソフト基盤開発部
2014年入社 / 化学科卒業
K.Sさん
今、自動車業界は大変革期の真っ只中で、ソフトの重要性もますます高まっています。ソフトウェア技術者にとってかなりおもしろい業界だと思いますね。
CI事業本部 ソフト基盤開発部
2018年入社 / 創成科学研究科 機械工学系専攻修了
Y.Eさん
研修やOJTなどを通じて基礎から仕事を学べる環境が整っているので安心です。人間関係も良く、誰とでもどんなことでも気楽に相談できるので心強いですね。
ソフトウェアファースト推進室
2006年入社 / 商学部卒業
Y.Sさん
当社の魅力は直属の先輩だけでなく、役員や上司との距離も近く、風通しの良いところ。また、未経験から成長できる充実した教育制度も自慢の一つです。
デンソーテンは自動車に標準装着される純正品として、ディスプレイオーディオなど車載マルチメディアシステムの開発を手がける会社。お取引のある自動車メーカー様において、グローバルな市場で弊社製品を多数採用いただいています。
私が経験者採用で入社したとき、当社は旧型の開発プラットフォームを使用していました。5年前、デンソーのエンジニアの方々と一緒にインフラとCI/CD※の先進的な開発環境を構築するプロジェクトに参加しました。
デンソーグループ提供のクラウド基盤、部署管理・チケット管理・構成管理などソフトウェア開発ツールを備えた開発基盤を構築したことで、Linuxやオープンソースを基盤とした製品ソフトウェア開発、クラウドでも同様な技術が利用可能に。ソフトウェア開発者にとって使いやすいプラットフォームとなり、開発に集中できる環境が整いました。
前職ではインフラ構築の経験はありませんでしたが、デンソーの知識豊富なエンジニアの方と一緒に仕事を進める過程でスキルアップできたことが大きな自信につながりましたね。こうした実績が評価され、以降はCI/CD※エンジニアとして、車載マルチメディアシステムなどの製品のソフトウェア開発のスピードや品質を向上させるCI/CDの運用改善・拡張に携わっています。
開発者はアジャイル(小さい単位で動くものを作っていく)/スクラム開発(小さいチームで開発者同士が協力し合う)でのチーム開発を行います。2週間の作業計画を立て、10名の開発者でチケットを作業していくのですが、私はこのスクラム開発のデベロップリーダーを務めています。
後輩を指導する立場にもあり、Y.Eさんとテレワークで実機を遠隔操作できる作業環境を構築しました。リモートで実機のオンオフから、画面操作・音が正しく出力されているかなどを自動でテストできるような環境です。ソフトウェアとして、音が正しく出力されているかを認識するのは難しいのですが、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)技術を活用することで、毎日人がやっていた評価プロセスの自動化に成功しました。後輩を指導する際には、少し遊び心を持たせて課題を出し、実現していくという指導方法を実践。前例のないことを一緒に実現していく過程で、おもしろさを発見してほしいです。
※CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)=常時ソフトウェアを更新・テストし、バグなどの問題を早期発見する。
もともと自動車自体に興味があり、学生時代は車に乗る機会が多く、運転も好きになりました。就職活動では完成車メーカーから部品メーカーまで幅広く自動車業界をチェック。そのなかで当社を志望したのは、当社で働いている大学院の研究室の先輩からの話や学内セミナーで当社が先進的な技術で自動車業界を支えていることを知ったからです。
自動車業界を牽引していく人財になる、という自身の目標を達成したいと思い、入社を決めました。
入社後は志望していた製造部に配属され、1~4年目の初めごろまで海外工場の品質管理と国内工場の現場管理を担当していました。転機になったのは、ソフトウェア技術者の社内公募です。現在の自動車業界は「CASE」という技術革新に伴い、急速にITニーズが高まっているためソフトウェア人財が求められている一方で、人財不足が現状の課題となっています。
今後の自動車業界を引っ張るのはソフトウェアスキルを持つ人であると考え、キャリアアップをめざしてこの社内公募に応募することを決意しました。
まずは配属前の半年研修で、未経験者向けの教材を使ってソフトウェアの基礎的な概念の習得や実機を使用したプログラミングなどを体験。研修後に希望する部署との面談があり、私は希望が叶ってディスプレイオーディオなど車載マルチメディアシステムの開発を行っている部署に配属になりました。最初に携わったのは、K.Sさんが話していた、テレワークでも実機のテストが行える作業環境の構築です。当社ではOJTとして師匠である上司とペアを組んで実践スキルを習得する「バディ制度」が導入されています。私もK.Sさんにソフトウェア技術者としての仕事の進め方やプログラムの書き方といった基礎を学びながら、着実にスキルアップしていくことができました。
9月前からチームが変わり、最新の車載マルチメディアシステムのソフトウェアを自動的にテストするシミュレーターのプログラムを開発しています。将来、自分がソフトウェア技術者として開発に携わった製品を搭載した車が国内外で走ることを想像するとワクワクしますね。最近は自力で解決できることが多くなり、自分のソフトウェアスキルが向上していることを実感できて楽しいです。もっともっとスキルアップして、いつか自分もこの楽しさを後輩に教えられるようになることが今後の目標です。
前職は人材サービス会社の営業。さまざまな企業の人事部門の方と接するなかで「自分も人事に関わる仕事がしたい!」と考えるようになり、転職を決意しました。車好きとしては、車に関わるメーカーである当社には特に魅力を感じました。
入社後は希望通り人事部門に配属となり、約1年間は給与などの計算、管理を担当。その後は全社員向けの階層別研修や自己啓発研修などの企画運営を行う人財育成に関わってきました。7年目の2012年にソフトウェア技術部門の人財育成を行う部署に異動となり、技術者に特化した教育プログラムの企画運営を担うことに。2022年4月には長くソフトウェア技術者の教育に携わってきた実績が評価され、現在所属しているソフトウェアファースト推進室に異動となりました。
大変革期にある自動車業界では、車の作り方にも変化が起きています。ソフトウェアの進化も速く、開発スピードを上げていかなければならない状況です。当社が最先端の技術を提供していくためには、従来通りの人財育成スピードや現場主義の人財育成ではなく、より戦略的に戦力となる人財を育成していかなければなりません。このような人財強化施策に加え、開発効率化施策、品質確保活動施策を推進するために2021年に新設されたのがソフトウェアファースト推進室です。
私は現在、部署内でリーダーの立場に立ち、ソフトウェアの人財強化グループを率いています。社内のどこのソフトウェア開発の現場でも通用する人財の育成をすることが私たちのミッション。そこで企画した研修プログラムが「ソフトウェア人財育成サイクル」です。まずは、配属の前段階で実践的に基礎知識を習得する「リカレントプログラム」、次にやりたい仕事と活躍の場をマッチングする「アサインプロセス」、配属先で師匠と弟子のペアを作って実践スキルを身につける「バディ制度」、そしてめざすキャリアに対して必要なスキルがどれくらい伸びたか定量的に把握する「スキル診断」という4段階のサイクルを回して人財の育成に取り組んでいます。
やりがいを感じるのは、実際に教育プログラムを受けた社員から「研修が役に立った」「もっとこんな研修をしてほしい」という声を聞けること。そのたびに刺激になりますし、改善策を考えることも楽しいです。今後は社員教育だけでなく、技術者一人ひとりのキャリアについての全体的なしくみづくりにも挑んでいきたいと思います。