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(ご参考)~環境負荷低減に向けて~
「LCA自動算出システム」を改良、LIME・NOx・SOxなども対象に!

LCA自動算出システム画面

右下赤枠内が今回算出対象に加わった8項目


  カーナビゲーションブランド「ECLIPSE(イクリプス)」を展開する富士通テン(株)(本社:兵庫県神戸市 代表取締役社長:重松 崇 資本金:53億円)は、原材料の採取から製品の製造・流通・使用・廃棄に至るまで、ライフサイクルの各段階における環境負荷物質を定量的に算出できる「LCA(Life Cycle Assessmentの略)自動算出システム」の改良を行いました。
  2011年11月から、CO2に加えNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)、LIME(*1)などその他重要環境指標(*2)の排出量も算出できるようになりました。同12月から本格的に運用しています。


改良前から算出スピードはカーナビ業界トップクラス!

  当社が自社のリソースを活用して独自に開発した「LCA自動算出システム」は、そのプロセスの効率性が評価され2010年12月に開催された「LCA日本フォーラム(*3)」において「奨励賞」を受賞しました。今回はそのシステムに改良を加えて算出対象項目を拡大したというわけです(上記参照)。
  システムは、製品品番や生産拠点など最低限の情報を入力するだけで、既存の社内情報システムから必要な情報を取得できるため、入力から算出までのプロセスを大幅に削減できる、といった特長を備えています。
  例えば、カーナビゲーションでは平均20時間を5分程度にまで短縮。算出に要する時間はカーナビゲーション業界でトップレベルの短さです。算出に伴う工数を大幅に削減し迅速に数値を把握することで環境配慮設計により多くの時間を割けるようにしました。
  また、システムはカーナビゲーションをはじめとする全製品分野を対象としています。
  今後は、母体機種をベースにした分析・シミュレーション機能を開発し、より環境に優しい製品の開発を進めてまいります。


「すべてをグリーンに」 ~独自のシステムで環境に配慮した製品を開発~

環境配慮設計

DfE:Design for Enviroment(環境配慮設計)
製品のライフサイクル全体の環境負荷低減を目的として、製品の環境負荷の全容が
定まる前の、企画段階において環境負荷を可能な限り低減させることを目指すこと。


  富士通テングループでは、1990年代から環境負荷を低減させるグリーン製品の開発に向けて様々な施策を講じてまいりました。
  まず、量産試作に移行する前に環境アセスメント(*4)を実施し、環境への配慮度合いを評価してきました。さらに、2010年度には、「LCA算出システム」「環境効率ファクター算出システム(*5)」「グリーン度評価システム(*6)」の3システムを開発し、より評価を充実させました。
  ただし、これまでの運用は量産試作前の評価であるため実績確認にとどまり、目標値の設定プロセスが不明確でした。この課題の解決として、より上流である製品企画段階での評価を導入し、製品ごとの目標値を設定できるように運用を見直しました。
  しかし、製品企画段階では、図面や部品・材料の特定が完了していないため、従来の評価手法では算出ができませんでした。この課題を克服するために当社製品の過去のLCA結果を分析し、電力消費など製品企画段階における検討結果が大きな影響を持つ主要な要素を特定。これを入力・算出させることで、LCA値が概算できる仕組みを2011年5月に考案しました。この仕組みによって、より上流において開発目標(実績)の目処付けができるようになり、順次運用を開始しました。


DfEタスク管理システムも開発

  さらに、モノづくりの各段階(上図参照)において「LCA算出システム」「環境効率ファクター算出システム」「グリーン度評価システム」の3つのシステムによる評価が予定通りに実施(評価・承認・登録)できているかを確認・フォローする「DfEタスク管理システム」も2011年5月に開発しました。


持続可能な社会の実現に寄与

  富士通テングループでは、「すべてをグリーンに」をスローガンとして、「第6期環境取り組みプラン」でスーパーグリーン製品開発や環境効率ファクター1.7倍の目標を定めています。計画的に省エネ・小型・軽量化などの環境配慮製品の開発を進め、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。


注釈

(*1)LIME:Life-cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling
日本版被害算定型影響評価手法。(独)産業技術総合研究所により開発された総合的な環境影響評価手法。CO2やNOxなど異なる指標間の重み付けを共通指標である金額(円)で算出・比較できるようにした枠組み。

(*2)新たに算出対象に追加した指標
NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)、T-N(全窒素)、TP(全燐)、LIME(日本版被害算定型影響評価手法)。

(*3)第7回LCA日本フォーラム
LCA日本フォーラム(略称:JLCA)は、我が国におけるLCA情報センターの役割を果たすことを目的にLCAに係わる産業界、学界、国公立研究機関の関係者が集うプラットフォーム。2010年12月に「第7回LCAフォーラム」を開催。
当社「奨励賞」受賞に関するプレスリリースはこちら

(*4)製品環境アセスメント
量産前の段階で、法規制への適合や省エネ、省資源などの環境対応を評価する仕組み。

(*5)環境効率ファクター算出システム<2010年5月開発完了>
製品の環境負荷を下げつつ、提供価値(機能・性能)を向上させることで、環境効率を上げていこうという取り組み指標を自動算出。

(*6)グリーン度評価システム<2010年6月開発完了>
従来の省エネ・小型軽量化・リサイクル性の向上などの評価指標に対し、LCAや環境効率ファクターの定量評価指標を組み込んだほか、コンプライアンス(有害物質規制)に先んじた配慮を評価に組み込み。


当社の環境保全活動はこちらをご覧下さい。


報道関係お問い合わせ先
コーポレートコミュニケーション部
TEL:078-682-2170E-mail:pr@ten.fujitsu.com

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