2005(平成17)年1月1日
代表取締役社長 槌本 隆光

<ご参考>

2005年 年頭所感

 新年明けましておめでとうございます。

 阪神・淡路大震災から10年が経過しました。当社では神戸地区で3人の社員が亡くなられたのをはじめ、会社としても甚大な被害を受けました。
 当社社員はもとより、被災された方々は、当時のことは思い出したくないと言われるほどの深刻なダメージを受けながら、現在に至るまでの復興に尽力されたことに心から敬意を表し、皆様の心の傷が早く癒されることをお祈りいたします。また昨年は、度重なる台風の上陸や中越地域での大地震など、各地で大きな被害が相継ぎました。被災者の方々の早期復興を心よりお祈り致します。   

【今こそ開拓・改革】
 2004年の世界経済はおおむね一昨年を上回る見通しですが、原油価格の高騰や米国経済の今後の見通しとそれに伴う為替レートの変動等、中国・アジアそして日本の経済の先行きは必ずしも楽観視できない状況にあります。一方、世界の自動車市場は堅実に成長しており、日本の主力自動車メーカーはQCDと技術開発の面で優位を確保し、積極的なグローバル展開を行うことで、総じて順調に業績を伸ばしています。
 このような状況の中で、当社は昨年度 連結売上高で2,000億円を突破し、今年度は2,340億円を目指しています。
 「品質は取引の前提条件」であることを肝に銘じ、企業理念の「お客様第一・品質至上」を確認しながら、「今こそ開拓・改革を行う絶好のチャンスである」「今を逃すと将来に禍根を残す」という危機感を持って、積極的に取り組みたいと思います。

【ITS発展への貢献】
 自動車の発展の方向は「快適・利便」、「安心・安全」、「環境負荷低減」の追求です。
 これらを実現するためにクルマのIT化はいよいよ本格化してきました。インフラ協調も視野に入れたITSの進展が期待されます。富士通グループのIT分野の総合力を活用して、車のIT化、ITSの発展に貢献することが当社の役割であると認識し、取り組んでまいります。

【グローバル化への取り組み】
 昨年、中国では富士通天国際貿易・富士通天研究開発・富士通天電子(無錫)の各社が立ち上がり、また欧州でも富士通スペイン(Fujitsu Manufacturing Espana, S.A.)に資本参加しました。しかしながら、海外販売比率、生産比率、調達比率等重要な指標を見ると、海外での活動はまだまだ不十分で、今後一層強化のスピードを上げる必要があります。
 グローバル化の課題はいろいろあると思いますが、最も基本的なものは言葉です。言葉の壁を克服し、生活習慣・ビジネスのやり方、文化の違いをよく認識し理解を深める努力が必要です。グローバル化の進展に見合った人材育成について、取り組みを強化したいと思います。

 「今こそ開拓・改革」のスローガンのもと、事業活動のあらゆる場面において「開拓・改革」を推進してまいります。
本年もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申しあげます。

以上