【NEWS RELEASE】
2004(平成16)年10月13日
小型高性能の「車載用76GHzミリ波レーダ」を開発
〜奥行き20%減、検知距離1.5倍・検知角度範囲1.3倍に拡大(当社従来品比)〜

−ITS世界会議愛知・名古屋2004に参考出品−
車載用76GHzミリ波レーダ

 富士通テン株式会社(本社:神戸市 社長:槌本 ヘ光 資本金:53億円)は、「車載用76GHzミリ波レーダ」を改良し、当社従来品より小型高性能化した製品を開発いたしました。今後さらに改良を加え、自動車メーカ各社での採用拡大を目指し、活動を進めてまいります。
 本製品を、2004年10月19日(火)から名古屋市において開催される「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の展示会に出品いたします。

 ミリ波レーダは、電波の送受信により先行車との距離と相対速度を計測するもので、次世代の先進安全システムのキーデバイスとして注目されています。当社のミリ波レーダは、アンテナの有効面積を最大限に利用し、高い角度分離性能を得ることができる独自のレーダ方式と、距離・相対速度を瞬時に高精度で得ることが出来るFMCW方式(*1)を採用しています。既に、先行車に対して安全な車間距離を保って追従走行するAdaptive Cruise Controlをはじめ、衝突を予測し警報やアクティブブレーキ等を使って衝突時の被害を低減するCollision Mitigation Systemに採用されています。

 今回開発した「車載用76GHzミリ波レーダ」は、高集積信号処理ICの新開発など構成部品の改良により、製品奥行きを70mm(従来比 20%減)に小型化、重量を560g(同22%減)に軽量化し、乗用車への取付け性の向上を図りました。検知性能についても、検知距離を150m(同1.5倍)、検知角度範囲を20°(同1.3倍)に拡大し高性能化を図りました。
 また、ミリ波レーダの心臓部であるミリ波送受信器には、従来よりも更に高集積化されたMMIC(*2)を新たに開発し、採用しました。これにより従来複数のMMICチップで構成されていたものを1チップに集積することが可能となり、MMICの実装と配線の効率化が図れたため、生産性を飛躍的に高めました。

【開発のポイント】
■小型化、軽量化

検知距離、検知角度範囲の拡大

生産性の向上

【車載用76GHzミリ波レーダの主な特長】
■車両の先進安全システムに対応する高性能を実現

小型・高性能を実現する先進テクノロジー

【用語解説】
(*1) FMCW方式 (Frequency Modulated Continuous Wave)
送信波を三角波で周波数変調させるレーダ方式。物体からの反射波と送信波をミキシングすることで距離と速度成分を含んだビート信号を得ることができる。ビート信号を得るまでの高周波回路が比較的単純でありかつ距離・速度信号を同時に検出することができるため車載レーダに適している。
(*2) MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit:モノリシックマイクロ波IC)
マイクロ波、ミリ波帯などの高周波で使用するモノリシックIC。半導体基板上に、能動素子(FET、HEMTなど)と受動素子(キャパシタ、コイル、線路など)を形成し、これらを相互に結合してひとつの機能を実現したもの。

【主な仕様】
送信周波数 76〜77GHz
レーダー方式 FMCW方式
検知距離 150m以上
相対速度 ±200km/h
スキャン角度 20°(±10°)
スキャン方式 メカニカルスキャン方式
データレート 100ms
サイズ 107(W)×89(H)×70(D)mm
質量 560g


ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。 その後予告なしに変更されることがあります。
あらかじめご了承ください。