【NEWS RELEASE】
2004(平成16)年4月27日
2003年度(第34期)決算
富士通テン(株)(本社:神戸市 社長:槌本 隆光 資本金:53億円)は、2003年度(第34期)の決算を下記のとおり確定しましたのでお知らせいたします。
記
【連結 業績および今年度予想】 (単位:百万円)
項 目 | 2002年度 2002年4月1日〜 2003年3月31日 〔実績〕 |
2003年度 2003年4月1日〜 2004年3月31日 〔実績〕 |
前年比 増減率 % |
2004年度 2004年4月1日〜 2005年3月31日 〔予想〕 |
前年比 増減率 % |
1.売上高 | 188,950 | 208,740 | 10.4 | 220,300 | 5.5 |
インフォテインメント機器(*1) | 146,555 | 164,541 | 12.2 | 173,400 | 5.3 |
自動車用電子機器(*2) | 42,394 | 44,198 | 4.2 | 46,900 | 6.1 |
(内 海外) | (39,120) | (43,199) | (10.4) | (49,200) | 13.9 |
2.営業利益 | 9,277 | 10,228 | 10.2 | 10,700 | 4.6 |
(営業利益率) | (4.9%) | (4.9%) | (0ポイント) | (4.9%) | (0ポイント) |
3.経常利益 | 6,803 | 7,943 | 16.7 | 9,200 | 15.8 |
(経常利益率) | (3.6%) | (3.8%) | (0.2ポイント) | (4.2%) | (0.4ポイント) |
4.当期純利益 | 4,160 | 7,449 | 79.0 | 5,300 | ▲28.8 |
(当期純利益率) | (2.2%) | (3.6%) | (1.4ポイント) | (2.4%) | (▲1.2ポイント) |
5.総資産 | 102,026 | 108,435 | 6.2 | − | − |
6.純資産 | 37,315 | 43,319 | 16.0 | − | − |
【連結 貸借対照表】 (単位:百万円)
科 目 | 2003年3月末現在 | 2004年3月末現在 | 前年比増減 | ||
構成比 | 構成比 | ||||
資産の部 | % | % | |||
流動資産 | 72,411 | 71.0 | 78,443 | 72.3 | 6,031 |
現金及び預金 | 6,992 | 6,626 | ▲366 | ||
預け金 | 7,000 | 8,000 | 1,000 | ||
売掛債権 | 30,473 | 34.561 | 4,088 | ||
たな卸資産 | 21,110 | 21.692 | 582 | ||
繰延税金資産 | 3,006 | 3,788 | 782 | ||
その他流動資産 | 3,829 | 3,773 | ▲55 | ||
固定資産 | 29,615 | 29.0 | 29,992 | 27.7 | 377 |
有形固定資産 | 21,809 | 21,868 | 58 | ||
無形固定資産 | 1,891 | 2,024 | 132 | ||
投資その他の資産 | 5,913 | 6,099 | 185 | ||
繰延税金資産 | 3,275 | 1,859 | ▲1,415 | ||
その他 | 2,637 | 4,239 | 1,601 | ||
資産合計 | 102,026 | 100.0 | 108,435 | 100.0 | 6,408 |
負債の部 | |||||
流動負債 | 53,812 | 52.8 | 57,474 | 53.0 | 3,662 |
買掛債務 | 30,974 | 35,647 | 4,672 | ||
短期借入金 | 4,477 | 2,344 | ▲2,132 | ||
その他流動負債 | 18,360 | 19,482 | 1,122 | ||
固定負債 | 10,139 | 9.9 | 6,666 | 6.1 | ▲3,472 |
退職給付引当金 | 9,188 | 5,766 | ▲3,421 | ||
長期借入金 | 480 | 422 | ▲58 | ||
繰延税金負債 | − | − | − | ||
その他固定負債 | 470 | 477 | 6 | ||
負債合計 | 63,951 | 62.7 | 64,141 | 59.1 | 189 |
少数株主持分 | 759 | 0.7 | 975 | 0.9 | 215 |
資本の部 | |||||
資本金 | 5,300 | 5.2 | 5,300 | 4.9 | − |
その他 | 32,015 | 31.4 | 38,019 | 35.1 | 6,003 |
資本合計 | 37,315 | 36.6 | 43,319 | 40.0 | 6,003 |
負債、少数株主持分及び 資 本 合 計 |
102,026 | 100.0 | 108,435 | 100.0 | 6,408 |
【連結 損益計算書】 (単位:百万円)
科 目 | 2002年度 2002年4月1日〜 2003年3月31日 〔実績〕 |
2003年度 2003年4月1日〜 2004年3月31日 〔実績〕 |
2004年度〔予想〕 2004年4月1日〜 2005年3月31日 〔予想〕 |
|||||
売上高比 | 売上高比 | 前年比 増減率 |
売上高比 | 前年比 増減率 |
||||
% | % | % | % | % | ||||
売上高 | 188,950 | 100 | 208,740 | 100 | 10.4 | 220,300 | 100 | 5.5 |
売上原価 | 148,486 | 78.6 | 164,854 | 79.0 | 11.0 | 173,100 | 78.6 | 5.0 |
販売費及び一般管理費 | 31,186 | 16.5 | 33,657 | 16.1 | 7.9 | 36,500 | 16.5 | 8.4 |
営業利益 | 9,277 | 4.9 | 10,228 | 4.9 | 10.2 | 10,700 | 4.9 | 4.6 |
営業外利益 | ▲2,473 | ▲1.3 | ▲2,285 | ▲1.1 | ▲7.6 | ▲1,500 | ▲0.7 | ▲34.3 |
経常利益 | 6,803 | 3.6 | 7,943 | 3.8 | 16.7 | 9,200 | 4.2 | 15.8 |
特別損益 | − | − | 4,566 | 2.2 | − | − | − | − |
税引前当期純利益 | 6,803 | 3.6 | 12,509 | 6.0 | 83.8 | 9,200 | 4.2 | ▲26.4 |
法人税等 | 2,643 | 1.4 | 5,060 | 2.4 | 91.4 | 3,900 | 1.8 | ▲22.9 |
当期純利益 | 4,160 | 2.2 | 7,449 | 3.6 | 79.0 | 5,300 | 2.4 | ▲28.8 |
(注)2003年度については、厚生年金基金代行部分返上益4,566百万円を「特別利益」として計上しています。
これにより、「当期純利益」が2,707百万円増加しています。
連結子会社数 26社(国内9社、海外17社)
持分法適用会社数2社 (国内1社、海外1社)
主要連結子会社
株式会社栃木富士通テン 富士通テン東日本株式会社 富士通テン中部株式会社 富士通テン西日本株式会社 |
FUJITSU TEN CORP.OF AMERICA FUJITSU TEN de MEXICO,S.A. de C.V. FUJITSU TEN CANADA INC. FUJITSU TEN (EUROPE) GmbH FUJITSU TEN CORPORATION OF THE PHILIPPINES 天津富士通天電子有限公司 FUJITSU TEN (THAILAND) COMPANY LIMITED FUJITSU TEN (SINGAPORE) PTE. LTD. FUJITSU TEN (AUSTRALIA) PTY. LTD. |
【単独 業績および今年度予想】(単位:百万円)
項 目 | 2002年度 2002年4月1日〜 2003年3月31日 〔実績〕 |
2003年度 2003年4月1日〜 2004年3月31日 〔実績〕 |
前年比 増減率 % |
2004年度 2004年4月1日〜 2005年3月31日 〔予想〕 |
前年比 増減率 % |
1.売上高 | 166,593 | 187,060 | 12.2 | 195,300 | 4.4 |
インフォテインメント機器 | 128,614 | 148,549 | 15.5 | 154,900 | 4.2 |
自動車用電子機器 | 37,979 | 38,511 | 1.3 | 40,400 | 4.9 |
(内 輸出高) | (22,924) | (25,751) | 12.3 | (28,100) | 9.2 |
2.営業利益 | 5,915 | 6,652 | 12.4 | 7,400 | 11.2 |
(営業利益率) | (3.6%) | (3.6%) | (0.0ポイント) | (3.8%) | (0.2ポイント) |
3.経常利益 | 4,257 | 5,439 | 27.7 | 6,700 | 23.1 |
(経常利益率) | (2.6%) | (2.9%) | (0.3ポイント) | (3.4%) | (0.5ポイント) |
4.当期純利益 | 2,635 | 5,961 | 126.2 | 4,000 | ▲32.8 |
(当期純利益率) | (1.6%) | (3.2%) | (1.6ポイント) | (2.0%) | (▲1.2ポイント) |
5.1株当たり当期利益 | 555.50円 | 1,278.51円 | 723.01円 | 852.17円 | ▲426.34円 |
6.株主配当金(1株につき) | 175円 | 225円 | 50円 | −円 | −円 |
7.総資産 | 88,949 | 95,206 | 7.0 | − | − |
8.純資産 | 32,984 | 38,109 | 15.5 | − | − |
【単独 貸借対照表】 (単位:百万円)
科 目 | 2003年3月末現在 | 2004年3月末現在 | 前年比増減 | ||
構成比 | 構成比 | ||||
資産の部 | % | % | |||
流動資産 | 64,186 | 72.2 | 69,246 | 72.7 | 5,059 |
現金及び預金 | 3,234 | 1,841 | ▲1,392 | ||
預け金 | 7,000 | 8,000 | 1,000 | ||
売掛債権 | 31,348 | 35.305 | 3,956 | ||
たな卸資産 | 9,941 | 11.332 | 1,391 | ||
繰延税金資産 | 2,723 | 3,363 | 640 | ||
その他流動資産 | 9,938 | 9,402 | ▲536 | ||
固定資産 | 24,763 | 27.8 | 25,960 | 27.3 | 1,196 |
有形固定資産 | 13,500 | 13,650 | 149 | ||
建物及び構築物 | 5,703 | 5,475 | ▲227 | ||
機械装置 | 1,456 | 1,384 | ▲71 | ||
土地 | 2,725 | 2,725 | − | ||
その他 | 3,615 | 4,064 | 449 | ||
無形固定資産 | 1,595 | 1,767 | 172 | ||
投資その他の資産 | 9,667 | 10,542 | 875 | ||
子会社株式 | 4,598 | 5,172 | 574 | ||
投資有価証券 | 1,226 | 2,783 | 1,557 | ||
繰延税金資産 | 3,029 | 1,688 | ▲1,340 | ||
その他 | 813 | 897 | 83 | ||
資産合計 | 88,949 | 100.0 | 95,206 | 100.0 | 6,256 |
負債の部 | |||||
流動負債 | 47,309 | 53.2 | 51,605 | 54.2 | 4,295 |
買掛債務 | 31,895 | 34,654 | 2,758 | ||
短期借入金 | 820 | 1,267 | 447 | ||
その他流動負債 | 14,594 | 15,684 | 1,090 | ||
固定負債 | 8,655 | 9.7 | 5,491 | 5.8 | ▲3,163 |
退職給付引当金 | 8,446 | 5,254 | ▲3,191 | ||
その他固定負債 | 209 | 237 | 27 | ||
負債合計 | 55,965 | 62.9 | 57,097 | 60.0 | 1,132 |
資本の部 | |||||
資本金 | 5,300 | 6.0 | 5,300 | 5.6 | − |
資本剰余金 | 5,653 | 6.4 | 5,653 | 5.9 | − |
利益剰余金 | 21,552 | 24.2 | 26,398 | 27.7 | 4,846 |
株式等評価差額金 | 479 | 0.5 | 757 | 0.8 | 278 |
資本合計 | 32,984 | 37.1 | 38,109 | 40.0 | 5,124 |
負債及び資本合計 | 88,949 | 100.0 | 95,206 | 100.0 | 6,256 |
【損益計算書 (単独)】 (単位:百万円)
科 目 | 2002年度 2002年4月1日〜 2003年3月31日 〔実績〕 |
2003年度 2003年4月1日〜 2004年3月31日 〔実績〕 |
2004年度 2004年4月1日〜 2005年3月31日 〔予想〕 |
|||||
売上高比 | 売上高比 | 前年比 増減率 |
売上高比 | 前年比 増減率 |
||||
% | % | % | % | % | ||||
売上高 | 166,593 | 100.0 | 187,060 | 100.0 | 12.2 | 195,300 | 100.0 | 4.4 |
売上原価 | 138,631 | 83.2 | 156,065 | 83.4 | 12.5 | 162,700 | 83.3 | 4.2 |
販売費及一般管理費 | 22,047 | 13.2 | 24,343 | 13.0 | 10.4 | 25,200 | 12.9 | 3.5 |
営業利益 | 5,915 | 3.6 | 6,652 | 3.6 | 12.4 | 7,400 | 3.8 | 11.2 |
営業外収益 | 1,032 | 0.6 | 1,342 | 0.7 | 29.9 | 1,100 | 0.5 | ▲18.0 |
営業外費用 | 2,691 | 1.6 | 2,555 | 1.4 | ▲5.0 | 1,800 | 0.9 | ▲29.5 |
経常利益 | 4,257 | 2.6 | 5,439 | 2.9 | 27.7 | 6,700 | 3.4 | 23.1 |
特別損益 | − | − | 4,290 | 2.3 | − | − | − | − |
税引前当期純利益 | 4,257 | 2.6 | 9,729 | 5.2 | 128.5 | 6,700 | 3.4 | ▲31.1 |
法人税、住民税および事業税 | 3,130 | 1.9 | 3,259 | 1.7 | 4.1 | 2,900 | 1.4 | ▲11.0 |
法人税等調整額 | ▲1,508 | ▲0.9 | 509 | 0.3 | ▲133.7 | ▲200 | 0.0 | ▲139.2 |
当期純利益 | 2,635 | 1.6 | 5,961 | 3.2 | 126.2 | 4,000 | 2.0 | ▲32.8 |
前期繰越利益 | 196 | 0.1 | 397 | 0.2 | 101.8 | − | − | − |
中間配当金 | 230 | − | 460 | − | − | − | − | − |
当期末処分利益 | 2,602 | 1.6 | 5,898 | 3.1 | 126.6 | − | − | − |
(注)2003年度については、厚生年金基金代行部分返上益4,290百万円を「特別利益」として計上しています。
これにより、「当期純利益」が2,546百万円増加しています。
【概況】
当期のわが国経済は、雇用情勢の厳しさから個人消費の回復が不透明ではあるものの、企業収益の改善により民間設備投資が増加し、輸出も増加の傾向がみられるなど、全体としては厳しい中にもやや明るさが見える状況となりました。一方、海外においては、イラク戦争終了後米国経済は回復基調となり、欧州経済はもち直しの動きがみられるものの依然として低調に推移しました。また、アジアでは前半はSARSの影響があったものの概ね堅調に推移しました。
当社と関連の深い自動車業界につきましては、国内販売は、昨年好調であった小型乗用車は伸び悩んだものの、普通乗用車、トラックの伸長により、全体としては前年並の水準で推移しました。輸出につきましても、横ばいで推移しました。海外市場は、米国では日本車がシェアを拡大したほか景気回復により全体としても前年並みを維持しましたが、欧州では日本車が健闘したものの全体としては厳しい状況で推移しました。また、アジアでは、全体として伸長の傾向にある中、特に中国では乗用車を中心に大きく伸長しました。
このような情勢のもとで、当社は、お客様にご満足いただける魅力ある新技術・新商品の開発、品質の向上、販売体制の充実等に努めてまいりました。その結果、売上高、利益とも過去最高を更新し、連結売上高は2,087億円(前期比10.4%増)経常利益79億4千万円(前期比16.7%増)を計上することができました。また、厚生年金基金の代行部分の返上による特別利益46億円の計上もあり、当期純利益は、74億4千万円(前期比79%増)を計上することができました。
当期におきましては、グローバル化に向け特に中国での活動を活発に進めてまいりました。まず、拡大する中国市場への対応強化およびコスト競争力強化を図るため、昨年9月に中国天津市にカーエレクトロニクス製品の販売現地法人富士通天国際貿易(天津)有限公司(当社全額出資)を設立いたしました。また、昨年11月には同じく天津市に中国市場に適したデザインや機能の製品開発を進めるとともに現地で調達できる部品を使用した設計を推進するため、設計現地法人富士通天研究開発(天津)有限公司(当社全額出資)を設立いたしました。さらに本年2月には無錫新区に、生産増強を図るため、中国での第二生産拠点として、生産現地法人富士通天電子(無錫)有限公司を設立いたしました。
なお、一昨年策定の「Vision2012」実現に向け、エンタテインメントとオートモーティブ・エレクトロニクスの融合を具体的に推進するため、昨年4月1日をもって事業本部を一つに統合する組織改定を行いましたほか、昨年12月には、ブランド戦略強化および先行開発推進のための組織改定を行いました。このほか、音楽を通して社内のコミュニケーションを図るため、音文化創造活動を立ち上げました。
【事業分野別の概況】
●インフォテインメント機器
インフォテインメント機器につきましては、昨年度に引き続き 「AVN」(ナビゲーション内蔵AVシステム)一体機の売上が好調であったこと、ならびに、トヨタ自動車株式会社の輸出車両向け機器の売上が伸長したことにより、連結売上高は1,645億円(前期比12.2%増)を計上することができました。
<オーディオ・ナビゲーション機器>
ライン向けとしては、トヨタ自動車株式会社のエスティマ、アルファード等に、G‐Book対応DVDボイスナビゲーション対応ワイドマルチAVステーションを、また、セルシオ、プリウス等に、G-Book対応エレクトロマルチビジョンディスプレイを納入いたしました。
また、ダイハツ工業株式会社にはタント向けに、車両インパネ専用デザインの「インテグレートCD/MD・AM/FMステレオ」を納入いたしました。
オプション純正品では、トヨタ自動車株式会社にVGA7.0型ディスプレイ採用、大容量HDD搭載、G-Book対応の「HDDナビTVDVDチューナー(M)」を納入し、トヨタHDD市場に新規参入しましたほか、業界初のETC内蔵機である「DVDナビTVCDチューナー(E)」を納入いたしました。また、TOYOTA CANADA INC.には、トヨタ向け初のMP3対応CDチューナー「AM/FM CD MP3」を納入しましたほか、TOYOTA MOTOR THAILAND CO., LTD.にTFT一体機である「DVD PLAYER SET」を同社キャンペーン車向け製品(同社向け初の純正ビジュアル製品)として昨年12月に納入いたしました。
さらに、株式会社ホンダアクセスには、同社用品初のHDDモデルである「デュアルサイズHDDナビコンポ」を納入し、また、マツダ株式会社に「AM/FM/CD/MD/TV/DVDナビゲーションコンビシステム」を、三菱自動車工業株式会社にも「6.5型AV一体型DVDナビゲーション」を納入し、両社のナビ市場に新規参入いたしました。
国内市販向けとしては、昨年7月にECLIPSE2003年夏モデルとして、AVN一体機5機種を発売し、同月、携帯電話を使ってECLIPSE専用サーバ(E-iSERV)に接続できる、業界初の通信機能をもつカーオーディオ「E5503CDi(i-audio)」を発売いたしました。また、昨年10月には秋モデルとして、格納できる7.0型VGAモニターを搭載し、ナビとオーディオ二つの顔をもつDUAL FACE AVN「AVN9903HD」および市販業界初のETCユニット内蔵「AVN3303D」を発売いたしました。
さらに、ホームオーディオECLIPSE TDの新シリーズでは、昨年6月に手のひらに収まるほどコンパクトでありながら、最大24Wの許容入力を確保し、上位モデルに匹敵するクオリティを実現したECLIPSE TD 「Lulet(リュレ)」 およびECLIPSE TDシリーズ初のサブウーファである「316SW」を発売しました。
海外市場においては、本年2月に米国において「AVN」をECLIPSEブランドで発売しましたほか、中国でも、「凌駕」ブランドでの発売を予定しています。
<移動通信機器>
タクシー業界における大都市部での無線周波数不足の解消および利用客の拡大を目指して昨年8月に発売しました業界初のタクシー専用デジタル無線システム(400MHz帯)が、多摩川無線共同配車センターにおいて12月より本格的に運用を開始されました。デジタル無線の特徴を生かして「音声とデータの同時通信」を可能にしたことで、より高精度な車両位置や動態データ等が把握でき、よりスムーズな配車を実現した当製品は、このほか日本最大のタクシー協同組合である東京無線協同組合他11社より受注し、順次納入しております。
●自動車用電子機器
自動車用電子機器につきましては、国内車両向け機器が減少したものの、トヨタ自動車株式会社の輸出車両向け機器が好調であったことにより、連結売上高は441億円(前期比4.2%増)となりました。
当期におきましては、トヨタ自動車株式会社向けに、株式会社デンソーとのハード開発およびソフト開発での協業により、それぞれ、RAV4用、イプサム用、WISH用およびアベンシス用のエンジン制御(TSP-EFI)ECUを設計し、納入いたしました。さらに、トヨタ自動車株式会社の新車種であるシエンタ用にエンジン制御(EFI)ECUおよびエアバッグECUを納入いたしました。
さらに、インドネシアおよびマレーシアのダイハツ工業株式会社の現地合弁会社向けに当社として初めて、ケース、ブラケット一体型でコンパクトなエンジン制御(EFI)ECUを納入いたしました。
このほか、欧州にて自動車関連メーカより、当社初の欧州現地生産・現地納入であります電動パワーステアリング(EPS)ECUを受注し生産を開始いたしました。
また、昨年5月には本田技研工業株式会社殿向けに、76GHz帯ミリ波レーダの納入を開始し新型インスパイアに搭載されました。当製品は、車両操作の利便性を高め、車両前方衝突事故の被害軽減を図った、同社の世界初の追突軽減ブレーキ衝突被害軽減システム(CMS)を含む運転支援システムに使用されています。
【設備投資の状況】
当期における設備投資は、将来に向けた先行技術開発・生産設備等を実施し、連結投資額は49億円(前期比11%増)となりました。
【2004年度の見通し】
今後の経営環境につきましては、わが国経済は、企業収益の改善による設備投資の増加、株価上昇のほか個人消費にも回復の動きがみられ、当面緩やかな回復を続けるなかで、前向きの循環が次第に強まっていくことが期待されます。また、世界経済においても、米国経済の回復は勢いを増しており、欧州経済にももち直しの動きがみられるほか、アジア経済もタイ、中国等で拡大しており、総じて堅調に推移することが期待されますが、中国においては、投資の過熱、インフラ問題、原材料の需給ひっ迫等、不安定要素があり、また中東におけるテロや紛争等の懸念される事項があり、予断は許さない状況にあります。
このような情勢のもとで、当社および富士通テングループは、創業以来大切にしてきた「誠」を中心としたお客様と社会への貢献を企業理念として、あらゆる場面でのコミュニケーションを活発にした活動を推進することにより、お客様にご満足いただける、オリジナリティのある商品開発およびサービス提供に努めるとともに、品質および収益性の向上に向けた改革に全力で取り組んでまいります。同時に、開発・調達・生産・販売・サービス等のあらゆる領域において世界各地での活動の比率を高め世界に通用する事業活動を行いながら、世界各地の拠点との密接な連携プレイによるグローバルマーケティングの強化に取り組むことにより、グローバルプレイヤーとしての地位および長期安定的な経営基盤を確立し、グループ一丸となって社業の発展に邁進いたします。
現時点での2004年度の見通しは下記のとおりです。
<連結> 売上高 2,203億円(前期比 5.5%増)
経常利益 92億円(前期比
15.8%増)
当期利益 53億円(前期比
28.8%減)
<単独> 売上高 1,953億円(前期比 4.4%増)
経常利益 67億円(前期比
23.1%増)
当期利益 40億円(前期比
32.8%減)