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塗装レス成形技術の確立
~カーナビ生産の環境負荷低減と品質確保を両立~

塗装レスで成形したカーナビ前面パネル

塗装レスで成形したカーナビ前面パネル


    カーナビゲーションブランド「ECLIPSE(イクリプス)」を展開する富士通テン(株)(本社:兵庫県神戸市 代表取締役社長:重松 崇 資本金:53億円)は、グループ会社の富士通テンテクノセプタ(株)(*1)と共同で、カーナビゲーションシステムの前面パネルの製造において、塗装工程を必要としない樹脂成形(*2)技術を開発しました。

ECLIPSE2012年夏モデル「ULTRA AVN」

今回の技術で生産したカーナビ
(ECLIPSE2012年夏モデル「ULTRA AVN」)

    これにより、従来塗装工程で使用していた塗装溶剤の低減に加え、塗装や乾燥に必要であったエネルギー消費が低減でき、地球環境への負荷低減が図れます。
    この技術は、ECLIPSEの2012年夏モデルの一部商品で採用し、今後も対象商品を増やす考えです。

開発の背景

    当社の主力商品であるカーナビゲーションシステムなどに組み込まれる樹脂製のパネルは、従来、意匠性を得るための色や光沢の確保と、傷に対するパネル表面の保護を目的として、塗装を行っていました。しかし、塗装工程で使用される環境負荷物質の低減や、塗装・乾燥工程の省エネ化が課題であったために、塗装を行わなくても光沢が実現できる成形技術の開発を進めてまいりました。

今回の開発した内容

ウエルドライン解説図

    今回、対象の商品の前面パネルには、ピアノブラックというピアノのような黒い光沢のある鏡面の質感を用いています。このため、表面の傷と樹脂成形時に金型へ高温で充填された樹脂が合流する境目に発生するウエルドラインにより、意匠性を損なうことが懸念されています。
    ウエルドラインは一般的に金型を高温に保つことなどで発生を抑制する技術が存在していますが、今回当社では、「材料」「金型構造」「成形技術」の組み合わせにより、金型に高コストとなるヒータを設けずにウエルドラインの発生を抑制し、光沢のある樹脂表面を塗装工程無しに成形のみで実現する技術を確立しました。

ポイント

1.材   料 「漆黒調の色味」「表面硬度の確保」「付着物への耐性確保」の3つを合わせ持つ新規樹脂を採用した。

2.金型構造 ウエルドラインの数や幅を小さくするため、樹脂の流動解析を実施。適切な金型の樹脂充填部の数と位置を見極め、金型設計に織り込んだ。

3.成形技術 最も樹脂の流れが良くなる成形条件を確立し、金型温度を一定に保つ工夫や、金型保守に専用の用具を用いるなどを新規に設定した。


用語解説

(*1) 富士通テンテクノセプタ株式会社 : 本社/兵庫県神戸市、代表取締役社長/榎 正彦、資本金/5千万円、事業内容/樹脂部品の成形加工

(*2) 樹脂成形 : 樹脂材料を形成加工して製品にすること。樹脂材料を熱で溶かした状態で製品の形になった容器(型)に入れた後、冷まして形造る。



報道関係お問い合わせ先
コーポレートコミュニケーション室
TEL:078-682-2170E-mail:pr@ten.fujitsu.com

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その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。