2012年8月31日
富士通テン株式会社
塗装レスで成形したカーナビ前面パネル
カーナビゲーションブランド「
今回の技術で生産したカーナビ
(ECLIPSE2012年夏モデル「ULTRA AVN」)
今回、対象の商品の前面パネルには、ピアノブラックというピアノのような黒い光沢のある鏡面の質感を用いています。このため、表面の傷と樹脂成形時に金型へ高温で充填された樹脂が合流する境目に発生するウエルドラインにより、意匠性を損なうことが懸念されています。
ウエルドラインは一般的に金型を高温に保つことなどで発生を抑制する技術が存在していますが、今回当社では、「材料」「金型構造」「成形技術」の組み合わせにより、金型に高コストとなるヒータを設けずにウエルドラインの発生を抑制し、光沢のある樹脂表面を塗装工程無しに成形のみで実現する技術を確立しました。
1.材 料 「漆黒調の色味」「表面硬度の確保」「付着物への耐性確保」の3つを合わせ持つ新規樹脂を採用した。
2.金型構造 ウエルドラインの数や幅を小さくするため、樹脂の流動解析を実施。適切な金型の樹脂充填部の数と位置を見極め、金型設計に織り込んだ。
3.成形技術 最も樹脂の流れが良くなる成形条件を確立し、金型温度を一定に保つ工夫や、金型保守に専用の用具を用いるなどを新規に設定した。
(*1) 富士通テンテクノセプタ株式会社 : 本社/兵庫県神戸市、代表取締役社長/榎 正彦、資本金/5千万円、事業内容/樹脂部品の成形加工
(*2) 樹脂成形 : 樹脂材料を形成加工して製品にすること。樹脂材料を熱で溶かした状態で製品の形になった容器(型)に入れた後、冷まして形造る。
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