平成13(2001)年1月1日
代表取締役社長  槌本 隆光
<ご参考>

2001年  年 頭 所 感

 新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 20世紀は人類が非常に早いスピードで発展し、またその結果様々な問題を引き起こし、このままではいけないということを認識した世紀であったと思います。21世紀はその反省に立って、我々の子孫のために改革を行う世紀であると位置付けられます。
 

【21世紀の車社会に「環境問題」「IT活用」で貢献する】

 自動車が大きく関与する深刻な社会的問題で21世紀に本格的に取り組まなければならない問題は、地球環境の問題です。あらゆる事業活動のなかで、省資源・廃棄物ゼロ・グリーン製品に注力することが求められます。全社的な取り組みを強化すると同時に、低公害車や低燃費車といった環境配慮型車両開発への参加等、地球環境問題に直接的に関連したテーマでも社会的に貢献していきたいと 思います。

 自動車に関するもう一つの大きな課題はIT(Information Technology)革命です。AVCとITSを包含したCar-Infotainment(*)の分野では、新しい通信・放送インフラの導入により、ホーム,モバイル,カーのシームレスな連携の実現が期待されています。IT技術を駆使して高度にインテリジェントなシステムを提供することにより、人々に豊かな快適さと安全性・効率性を提供して行きたいと思います。

(*)Infotainment:InformationとEntertainmentの造語

【「技術力」「Global対応力」「Brand力」で新たな存在価値を創造する】

<富士通テンの特徴となる技術を再構築する>
   特にCar-Infotainmentの分野では、ITの車への積極的導入や情報・通信・放送の社会的インフラとの積極的な関わり・連携が必要であり、今までよりも一層富士通グループとの連携を深め、グループ内の技術やビジネスインフラを活用していきます。また、トヨタグループ内での協業を深めることにより重複をなくし効率を高め、当社の特徴のある技術を提案することにより、貢献度を高めていきたいと思います。

<Global Playerとしての存在感を高める>
   生産,調達,販売,開発等あらゆる事業活動において世界各地での活動の比率を高めること、そして世界に通用し、世界から注目される商品開発・事業活動を行うことが重要です。世界の限られた地域だけを対象とした活動では、数年を待たずに消滅します。困難を承知で果敢に挑戦していきたいと思います。

<Brandを確立する>
  当社はOEMを中心に事業を展開してきたため、当社独自のブランド力が強いとは言えません。「ECLIPSE(イクリプス)」ブランドを強くすることに全力を投入してまいります。

 日本の経済は依然として個人消費の伸びを期待している状況ですが、民間企業投資が牽引しながら緩やかな回復軌道にあると思います。米国景気の先行きに懸念があり、アジアがその影響を受ける不安もあり、先行き不透明な状況は続いておりますが、自らの成長を実現するという確固たる意思を持った楽観論で臨みたいと思います。
 本年も「安全で快適な」車社会を創造する企業として鋭意努力してまいります。
 ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

以  上